内視鏡検査を受けましょう

臨床検査技師 石田 英人

内視(endoscopy)とは、内部(endo)を視ること(scopy)で、そのための器械が内視鏡(endoscope)です。1868年(明治元年)に、ドイツの内科医クスマウルは、剣を呑み込んで見せる曲芸師を見て、芸人に金属筒を呑み込ませて、食道および胃粘膜を垣間見るのに成功したことが消化器内視鏡の原点であるとされています。

2008年6月より当院の内視鏡器機装置を新しいものに変更しました。ハイビジョン対応の高精細・高解像のLCDモニターによりちらつき感のないクリアな表示で、より高い診断・精度を得られるようになりました。またNBI(狭帯域光観察)による検査が可能になり粘膜表層の血管の走行状態を描出することにより色素内視鏡検査に近い強調画像を観察することが容易にできて、検査・診断の可能性を拡げることになります。同時に患者さん用モニターも導入しましたので、上部消化管内視鏡検査でも検査中に一緒に画面を直接見てご自分で確認することができ、内視鏡医の説明を受けることができるようになりました。

上部消化管(食道・胃・十二指腸)内視鏡検査により、食道炎、バレット食道、食道静脈瘤、食道癌、急性胃炎、慢性胃炎、びらん性胃炎、胃潰瘍、隆起性病変、胃アニサキス症、胃癌、十二指腸潰瘍、十二指腸癌などさまざまな病気を診断することが可能です。胃潰瘍では、別の病気で飲んでいる痛み止めなどに使われる非ステロイド系消炎鎮痛薬や日本人の半数近くが感染しているといわれるピロリ菌が原因でなることがあります。その時の患者さんの状態にもよりますが、その場でピロリ菌の検査をすることも可能です。

胃癌は、日本人に大変多い病気ですが、早期発見ができれば治りやすい癌の1つです。特に粘膜までの早期癌は、90%以上治る可能性があるといわれています。内視鏡検査の診断技術が向上して、3mmくらいの大きさから見つかる可能性があり、直接見ることができますので、できている場所や広がり、ある程度の深さがわかります。また、組織を採取して(生検)顕微鏡で組織構造を確認して癌かどうか正確な診断を下したり、癌の種類を細胞を観察することによりわかります。自覚症状がなくても、早期発見・早期治療のため、40歳になりましたら、ドック・健診等で一度上部消化管内視鏡検査をすることをおすすめします。

近年、食生活の欧米化に伴い、大腸癌や炎症性腸疾患の増加がみられ、大腸内視鏡検査を受けられる方が増えています。UPD(内視鏡挿入形状観測装置)により、3次元の挿入形状を表示させ、なるべく苦痛を伴わないように検査ができるようにしています。モニターを一緒に見ながら内視鏡医の説明も受けられます。当院では、内視鏡的ポリペクトミーを行うことが可能です。内視鏡的ポリペクトミーとは、消化管のポリープを摘出する方法の1つで、ポリペクトミースネアでポリープを切除することで癌転移のない隆起性病変は、ほとんどの場合この方法によって根治可能です。  人によっては、辛いとか痛いとか、大変だとかいろいろ課題もありますが、医師と相談の上、定期的に検査を受けられることをおすすめします。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2008年10月1日

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