健康あらかると 家庭血圧測定(HBPM)のすすめ

医師 犬童伸行

 数年前のこの欄に高血圧ミニ知識という記事を載せましたが、今回は家庭血圧測定の重要性にしぼって書いてみます。

はじめに

 現在、日本では高血圧と高血圧予備軍を合わせると、5,000万人もの血圧管理が必要な人がいるといわれています。しかし高血圧は自覚症状が無いことが多いため、血圧が高いにもかかわらず気がつかなかったり、わかっていても放置している人が多いようです。
  高血圧には診察室では高いのに家では正常血圧となる人(白衣高血圧)や、診察室で正常でも家や職場では高い人(仮面高血圧)もあります。これらを正確に診断するために家庭血圧測定(Home blood  pressure  measurement, HBPM)が重要視されるようになりました。道南勤医協の各診療所でも、多くの方に家庭血圧を測ってきて戴いて、適切な血圧管理が出来るように努めています。

家庭血圧の測定方法

 血圧計はちゃんとしたメーカー製であれば1万円前後のもので十分です。ただし手首や指で測るタイプはやや不正確なので、必ず上腕で測るタイプにして下さい。
 血圧は原則として朝晩2回測定します。朝は起床後1時間以内、排尿後で朝食や服薬前に測って下さい。また夜は寝る直前に、飲酒や入浴直後を避けリラックスした状態で測定し血圧手帳(病院や薬局で手に入ります)などに記録します。普段の血圧とあまり違う値が出た時には深呼吸などして測りなおし、それでも異常な結果だったらもう一度測って一番良い数字を記載して下さい(3回の平均を記録せよという意見もありますが、計算も大変ですし私は上記の方法をお勧めしています)。朝晩2回測定する理由ですが、高血圧には色々なタイプがあり朝の起きがけがもっとも高い早朝型高血圧を見逃さないためです。
  早朝型高血圧の場合には降圧剤を就寝前に服用していただくなど、正確な治療計画を立てる上で家庭血圧測定は重要です。また血圧測定の頻度については、高血圧の治療初期には毎日測定することが望ましいのですが、ある程度安定したら週2回程度で良いと思います。

家庭血圧の目標値

 適切な血圧は年齢や合併症の有無によっても異なります。どの条件でも家庭血圧は病院での血圧より低いことが望ましいとされています。
 表を参考に適切な血圧管理に努めましょう。


 診察室血圧家庭血圧
若年者・中年者130/85mmHg未満125/80mmHg未満
高齢者140/90mmHg未満135/85mmHg未満
糖尿病患者
腎臓病患者
心筋梗塞後患者
130/80mmHg未満125/75mmHg未満
脳血管障害患者140/90mmHg未満135/85mmHg未満

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2009年7月1日

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