健康あらかると 脳の病変によって生じる『失語症』

言語聴覚士 山本弥生

言葉によるコミュニケーションの障害は、『聞こえの障害』、や『発声・発音の障害』だけでなく、伝えたい意味を単語や文で表現したり、単語や文の意味を理解したりする言語機能の障害もあります。このような後天的な言語機能障害を『失語症』といいます。

 『失語症』は、言語機能をつかさどる脳の領域(言語野)が、脳卒中、交通事故などによる脳外傷、脳腫瘍などによる損傷されることで起こります。1話すこと、2聞くこと、3読むこと、4書くことの障害に大きく区分されます。

 こうした『失語症』の方は残された機能を活用して実用的なコミュニケーションを行うことが重視されます。そのため、以下のようなアプローチを行います。

1、障害を受けた言語機能の回復または再編成。
2、残された機能を活用して周りの人と効率よくコミュニケーションを行う訓練。
3、家族・関係スタッフなどへの指導(環境の整備)
4、心理面のサポート

 訓練効果は本人の訓練意欲と強く結びついています。しかし、『失語症』はある日突然起こります。言葉を失った本人の心理的なショックは大きく、自分の状態を客観的に見られないだけでなく、大きな哀しみ、自信喪失、無力感に襲われていることが少なくありません。本人の障害を心理的に受け止め、自分に適した生活を再び築くことができるよう、心理面のサポートが重要です。

 言語聴覚士は、こうした訓練、心理面のサポートを行う職種ですが、失語症の方に関わる全ての人々が失語症を理解し、日々の生活を笑顔で過ごせる環境作りが大切だと考えます。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2009年9月1日

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