健康あらかると 「みんなで創る病院感染対策」

薬剤師 吉田 清司

 南山堂の雑誌「治療」6月号の特集「外来の感染管理ガイド」の「トイレ・手洗い場の感染対策」に私の文章が掲載されました。今回は、「みんなで創る病院感染対策」という題目で書いていきたいと思います。病院の院内感染対策なんて、病院職員の問題で自分には関係ないと思われている方が多いと思います。しかし、医療安全にしても、病院感染対策にしても、患者さんとその家族、病院職員の協力の上で成り立つということが一般的になってきています。

<外来待合室>

 病院の外来は、さまざまな病気をもつ人が出入りし、感染がおこりやすい環境です。2009年には「新型インフルエンザH1N1 2009」流行にともなって、発熱者を他の患者さんと分離するような対策もとられました。
 今はもうインフルエンザが過去のように忘れられているような感じですが(この原稿が掲載される頃には大流行なんてこともあるかもしれませんが)、待合室においては、インフルエンザの流行に関わらず多くの感染の危険性があります。
そこで、みなさんにぜひ協力してほしいことがあります。まずは、咳の症状があったり、発熱があるときはマスクを着用して下さい。また、突然、咳やくしゃみが出た時は、ハンカチやティッシュ、または服の上腕の部分で口をおさえて、その後手洗いをしてください。これらのことを「咳エチケット」といいます。もし、待合室で咳をしている人がいてマスクをしていなかったら、職員に伝えてください。

<トイレ>

 トイレは、汚染されやすい環境であり感染の危険性が非常に高い場所です。トイレを利用した人が待合室などに汚染物を拡散しないような感染対策を行うことが求められます。
 特に、ノロウイルス胃腸炎が流行している時期は注意が必要になります。ノロウイルス感染症者の便や嘔吐物には、1g中100万~10億個のウイルスが含まれ、その100個以下のウイルスで感染が起こるといわれており、0.1mg~0.1μgという目に見えないほどの超微量で感染するといわれています。病院のトイレで、嘔吐したり下痢をした場合には、職員に伝えていただけるようお願いします。また、トイレが汚れているような時も同様に伝えてください。

<病棟>

 稜北病院の病棟は、3階が一般病棟で2階が回復期リハビリテーション病棟です。性質は異なっても、多くの病気の人が閉鎖された空間で一緒に生活するため、感染しやすい環境です。
 体調がすぐれない時や家族がインフルエンザなどの感染症にかかっているときは、お見舞いに来ないようにお願いします。また、インフルエンザやノロウイルスなどが流行している時期は、マスクの着用と病室に入る前に手指消毒薬での消毒をしてください。実は、多くの感染症は潜伏期といって、症状が出ない時期がありその時期でも感染力があるため、本人は元気でも人に感染させる危険性があるのです。

 ぜひ、患者さんとその家族、病院職員のみんなで感染対策をおこない、よりよい病院にしていきましょう。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2010年8月1日

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