健康あらかると 高齢者総合的機能評価~高齢者の全体像をとらえ、援助する

医師 堀口 信

急速にすすむ高齢化。高齢者だけの世帯も増加

 地域の高齢化は急速にすすんでいます。65歳以上のかたは、国民全体の23%、函館では全市民の27%を占めます。人口の4人に1人が65歳以上で、しかも増えつづけています。

 高齢者だけの世帯も増えています。函館では、独居が、高齢者世帯の32%、夫婦のみ世帯が同じく32%を占めています。合わせると、函館の高齢者は、3人に2人が高齢者だけで生活しています。ささえる家庭介護力が弱まっています。

高齢者の全体像をとらえる

 病院、診療所の外来や入院でも、高齢者が増えています。病気のことはわかっても、どんなことでお困りか、なかなかわかりません。

 病気以外の状況を総合的にとらえて、適切な医療・介護につなげるために、「高齢者総合的機能評価」という手法があります。

高齢者総合的機能評価とは

 個人のもつさまざまな能力や環境を総合的にとらえて、適切な援助にむすびつける目的で開発されました。項目は大きく5つあります。

第一に、日常生活を行う力です。
食事、排泄、入浴、身づくろい、着替え、歩行を評価します。
第二に、社会生活を営む力です。
掃除、洗濯、調理の家事動作や、買い物、薬の服用、財産管理を評価します。
第三に、認知症やうつなど、精神面について評価します。
第四に、ことばを使ってのコミュニケーションについて評価します。
第五に、家族構成や経済状況、介護認定の有無など、介護を支える環境を評価します。

高齢者評価を通して適切な援助を

 こういった評価を、地域や外来で行い、家庭生活がいよいよ大変になる前に、早くから適切な援助ができればと思います。
 たとえば、一人暮らしで、軽い認知症が出てきたとき、ご本人もまわりも気づかないことがあります。高齢者評価を行えば、火の不始末や、訪問販売のトラブルに巻き込まれる前に、適切な援助ができるかもしれません。
 足腰がよわって買い物ができなくなった場合、一人でお風呂に入るのが大変になった場合も、この評価を通して、対策を話し合うことができます。

地域訪問もふくめて高齢者を支えるとりくみを

 道南勤医協は10月から11月にかけて、地域訪問を行い、生活や受診でお困りのことがないか相談活動を行いました。このような訪問や高齢者評価を通して、地域の高齢者を支えるとりくみをすすめていければと思います。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2010年12月1日

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