健康あらかると「放射線技師として思うこと」

放射線技師 綱渕 幸彦

 3.11震災から1年経ちました。地震が起きた時、私は病院で仕事をしており余震に備え、2階3階の病室を見回った記憶があります。地震後、テレビでは盛んに各地の状況を放映していました。その中の津波の映像が放送された時、背筋が寒くなり自宅の北斗市にも津波が来るのではないかと心配でした。幸い被害は無く良かったのですが、福島を襲った津波の影響で原発が大事故になり、今もその影響で家に帰れない方や、高レベル放射線の環境下で復旧作業をしなければならない方が大勢います。その後の政府発表でレベル7の原発事故、原発事故の中では最大のレベルです。事故でばら撒かれた放射能物質は様々で人体に与える影響は重大です。

 放射線被爆には内部被曝と外部被曝があります。
 外部被曝とは、体の周りにある放射能から発せられるγ線による被曝です。おもにセシウム137(半減期30年)、ヨウ素131(半減期8日)などです。外部被曝は除染やその地域から離れることにより被爆を防げます。除染の優先順位があり、第1に衣服の脱衣、第2に創傷部を水で洗い流しガーゼでふき取る、第3に健常皮膚を湿ったガーゼで鼻や口・耳などを繰り返しふき取るなどです。

 内部被曝は、食物から体の中に放射能物質が入りそこから出るアルファー線やβ線・γ線で被曝する事を言います。体内に取り込まれた放射能物質は便や尿として排泄されますが一部は放射性ヨウ素のように甲状腺に集積する放射能物質もあり徐々に身体に影響を及ぼす事になります。

 放射能物質は大気や海水で希釈され、年を追うごとに放射能物質は薄くなると思いますが、食物連鎖の頂点に立つ人類は今後どのような影響を受けるのか不安なところです。

 原発で電力の見返りにどんどん放射能を作り出すのは如何なものでしょう。残念ながら人の手で作り出した放射能物質は、人の手によって無くすることはできませんが、これ以上増やさない事は出来ると思います。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2012年5月1日

▲このページの先頭へ

© 医療法人 道南勤労者医療協会