道南医療九条の会で講演会 「小児科医が診た放射能と子どもたち」

 道南医療九条の会主催による福島原発事故内部被曝問題講演会「小児科医が診た放射能と子どもたち」が、7月25日に函館市民会館で行われました。講師は、八王子中央診療所理事長で小児科医の山田真氏。森永ヒ素ミルク中毒や公害、医療被害、障がい児の就学などの運動にかかわりながら診療に携わっています。また、子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表もされています。講演の要旨を紹介します。

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 本来であれば放射線被害に対する不安や怒りは東京電力や国に向けられるべきですが、福島では、住人同士の対立になっていることが紹介されました。不安に思っている人は福島から離れ、福島に残っている人は、不安の一言でも口に出すと誹謗される。家族の中でも、「危険だ」「もう大丈夫だ」と対立しています。昨年の6月頃からすでに起きていたことで、今はもっとひどくなっているということでした。放射線の危険性を訴えられるのは、福島以外の私たちだと呼びかけました。

内部被曝の影響

 内部被曝の影響は、DNAやDNAの周辺に悪影響を与えることや、人体の水分に影響し活性酸素を過剰に作ることは分かっていますが、どんな病気になるのか、どんな症状が起きてくるのかは、よく分かっていません。放射線による特有な症状や病気はなく、他の病気による症状だと言えてしまう難点があると指摘します。また、被曝の許容量とは、放射線関係に従事する労働者の健康被害への補償を決める目安であり、原子力産業にとって都合の良いものになっている、放射線に対して感受性の高い人や子どもは考慮されていない問題点をあげました。

 今回、福島で分かってきたこととして、子どもが体内に取り込んだセシウムは、福島から離れた子どもと福島に滞在している子どもに差があることがわかり、チェルノブイリ事故のデータからも汚染地域から三週間離れていると20%程度減少している検査結果に触れ、子どもは放射線に対して感受性は高いが、排出も早いことがわかってきたことも紹介されて、一時的にでも汚染地域から離れる優位性をあげました。

新たな放射線の安全教育?

 日本人が安全と思うかどうかは、国際的には非常に注目されていることが述べられました。広島や長崎、第五福竜丸での被爆・被害を受けた日本人が、放射線を怖がっていなければ、放射線は安全だというキャンペーンをはれる。原子力産業を推進している人たちに、都合のいいように利用されると指摘しました。文部科学省が昨年作成した「放射線副読本」について、原爆で健康被害が出ている記載はあるが、亡くなった人がいる記載はなく、以前よりひどい内容になっていることを指摘しました。新たな放射線の「安全教育」がされている危険性をあげ、子どもたちが自分で考える機会が非常に少ない中で、子どもたちに放射線のことをしっかり伝えなければならない。子どもたちが考え発言する機会を作っていかなければならない。家庭で、子どもたちにしっかり伝えてほしいと訴えました。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2012年9月1日

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