「2012 働く人びとのいのちと健康をまもる北海道セミナーin函館」開催 畑中恒人先生が特別講演

 10月27日~28日に「2012働く人びとのいのちと健康をまもる北海道セミナーin函館」が、亀田福祉センターで「まともな働き方を取り戻そう」をテーマに開催されました。畑中恒人先生による特別講演「なぜ、道南に振動障害・じん肺患者が多いのか」の要旨を紹介します。

 1986年に青函トンネルの本坑が貫通されました。函館診療所が開院して10年経っていました。この間のトンネル抗夫の振動障害は六人。道路工事や林業関係の振動障害が多かった頃でした。「トンネル工事の切羽を見ておきたい」という思いで、函館民主商工会の協力で貫通前の1年間に二度ほど見学させてもらいました。切羽ではジャンボが物凄いうなり声をあげ、温度計が30度、湿度計が100%を示していたことが今でも鮮明に記憶に残っています。

トンネル工事従事者が大部分

 振動障害・じん肺患者は、漁家に最も多く、次に農家が多くなっています。函館を中心とした南渡島では、トンネル工事に従事した人たちが大部分で、次に多いのが道路などの仕事です。南桧山ではトンネル工事に従事した人が比較的多いが、鉱山、道路・ダム・築港・護岸工事、コンクリート二次製品工場、造材・造林など、いろいろな地元の業種に就労していることが特徴として上げられます。北渡島・桧山地域では、造林・造材に従事した人たちが過半数を占め、トンネル工事に従事した人は少ないことが上げられます。特に多い地域として鉱山の上ノ国町、炭鉱の旧恵山町・旧椴法華村・旧戸井町、青函トンネルの福島町が上げられます。

生活の厳しさから出稼ぎへ

 1960年から75年にかけて漁獲高の自然減が零細な漁家経営を苦しくしました。その上、1973年から79年にかけて200カイリ問題と二度のオイルショックがこれらの漁家、漁民の経営・生活をさらに厳しいものにしました。患者さんの年代によりその影響が異なりますが、漁家を廃業して出稼ぎで生計を立てるようになったきっかけとしてこれらの政治経済情勢を上げる患者さんが多くいます。

 道南勤医協では、振動障害やじん肺にとりくんで36年になります。この間で500人以上の労災申請に携わり、大半が認定されています。認定された440人について分析を行いました。以上が、道南地方に振動障害やじん肺が多い理由です。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2012年12月1日

▲このページの先頭へ

© 医療法人 道南勤労者医療協会