狙われる生活保護改悪

狙われる生活保護改悪

 最後の命綱である生活保護制度。田村憲久厚生労働相は、生活保護費の給付水準引き下げについて、「1割ぐらいを上限に検討し、判断していきたい」と発言し、生活保護制度の改悪を狙っています。制度改悪の論議は、民主党政権の時から「社会保障と税の一体改悪」でも出されていました。「就労・自立支援」を強化し、保護期間を3年から5年に限定。職業訓練を受けない受給者への保護の停廃止。医療費の一部自己負担の導入。親族の扶養義務を生活保護利用の要件とすることなどが上げられていました。
 長引く不況の中、函館市の生活保護受給率は46.2‰(2012年3月現在・1‰‐1,000人に1人の割合)で20人に一が生活保護を受けています。中核都市では、全国で一番高くなっています。

入院費の支払い難しく「無料・低額診療制度」を利用

 高齢のため、長年やってきた漁師を止め、年金で生活する70代・男性。年金は夫婦二人で月5万円に満たない金額です。左足骨折のため他院で手術を行い、リハビリ治療で函館稜北病院に転院。他院での入院費の未支払分もあり、入院費の相談があり無料低額診療制度を活用することになりました。
 入院前から認知症の症状が出ていたが介護保険サービスの利用はなく、自宅での生活を希望していることから、入院中に介護保険と合わせて生活保護を申請しました。
 退院後は、通所サービスを受けながら、自宅で療養しています。
 函館稜北病院では、「無料・低額診療制度」を実施しています。経済的な理由により医療費の支払いが困難な方を対象に、医療費の減額または、免除を行う制度です。医療費の減免は、生活が改善するまでの一時的な措置です。

生活保護基準の引き下げは生活に大きく影響

函館生活と健康を守る会 会長 松森 美世子さん

 生活保護基準は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準です。生存権保障の水準を決める極めて重要な基準です。生活保護基準が引き下げられると、これまで非課税であった低所得者にも課税されることになります。就学援助の給付対象基準や国民健康保険の減免基準、また、保育料、国民健康保険料、介護保険料などの基準にも影響し、負担が増加する世帯が生まれます。最低賃金制度は、「生活保護と整合性をはかる」となっており、生活保護基準の額と連動しています。最低賃金が引き下げられると、労働条件全体の大幅な悪化を招く危険性も上げられます。
 2004年から老齢加算が段階的に廃止になりました。市営住宅の減免制度を利用していたが、老齢加算の廃止に伴い減免制度の基準も下げられ、利用できなくなり、経済的に厳しくなっている相談が増えています。生活保護の受給になるケースもありますが、「切り詰めるものがなく、仕方なく病院受診を控えている」などの声も多く聞かれます。
 昨年暮れに函館地方社会保障推進協議会が行った路上生活者の調査をきっかけに、生活相談を受け、生活保護を申請する事例もありました。また、法テラスから紹介されて、生活相談に訪れる方も増えてきています。函館市では、生活保護の窓口に生活保護申請書を置くなど以前よりも改善されていますが、どこに相談したらよいかわからず、生活保護を受けずにいる方が沢山いると思います。生活相談の取り組みと合わせて、制度改悪を許さない取り組みが必要です。

生活相談実施中

函館生活と健康を守る会事務所(函館市時任町21-9)
 毎週火曜日
 10時30分~15時30分
 予約制
 電話 0138-52-6015

稜北クリニック 2階相談室
 毎週月曜日
 9時30分~11時30分
 函館生活と健康を守る会の葛西事務局長が常駐しています

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2013年2月1日

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