循環型社会と「tete(てて)の会」

 原発に頼らない再生可能なエネルギーの活用や、リサイクルで廃棄量を少なくし、資源として再利用する循環型社会が注目されています。

 3・11東日本大震災をきっかけに、「tete(てて)の会」を始めた田中はる枝さん(民医連道南ブロック駒ケ岳・赤井川友の会事務局長)を訪ねました。

古い布・着物など再利用して

 3・11をきっかけに、「何かできないか」ということで、大間原発訴訟の会の原告会員に入会しました。いろいろ学習していく中で「私たち無駄遣いしすぎている。使ったものをすぐに捨てる社会でなくて、再利用できる生活に変えていこう」と考えている時期に、娘から、アジアでは物がないからということもありますが、布ナプキンを日常的に使っていることを聞きました。娘も使っているということです。函館でも、30代の女性から「私も使っています」という声が、あちこちから耳に入ってきました。

 「古い布や、使っていない着物などを利用できたらいいね」ということから、2011年4月11日に「teteの会」を始めました。

被災地への寄附金として

 「teteの会」は、「手」と「手」。「手」はあらゆるものを作り出して、そして繋げてく。使い込んだ木綿や絹の布を「布ナプキン」に形を変える時「使い捨て」の世の中について考え、それを使う時に、身体の神秘を思い、自分の体と向き合う。その良さを人に伝え、輪を広げていく。そんな思いが「teteの会」には詰まっています。

 毎月11日にアルボルの茶の間に8~10人が集まり、チクチクと布ナプキンの手縫いが始まります。「布ナプキンができたら自分も使うしプレゼントできるし、販売もできる。販売して資金が溜まったら被災地へ〝ありがとうツアー〟をしよう」との思いで、「テヂカラバクハツプロジェクト」を立ち上げました。布ナプキン1,000枚の目標をはるかに超える1,600枚集まり、昨年の3月に東京と函館で「てぬぷきん展」を開催してきました。展示会では布ナプキンの販売やワークショップも行い、1,000枚以上を売り上げました。布ナプキン一枚、一枚が女性達の手に渡り、生活や生き方について、もう一度考えてもらえるような機会にできたかなと思っています。

 東京で開催した「てぬぷきん展」の帰りに、「teteの会」でつながりができた福島県三春町の友人を通して、福島県で唯一、放射性ヨウ素内部被曝による甲状腺癌の予防として安定ヨウ素剤を配布した三春町に、売り上げを寄付してきました。「子ども達の甲状腺検査tete基金」を立ち上げ、今後の売り上げなどを被災地の子ども達のために活用していく予定です。

東京で行った「てぬぷきん展」の様子

広まる人々の輪

 「teteの会」に来ている方から、「小学5年生の娘と一緒に縫いたい」ということで、娘の古いパジャマを出してきて一緒に縫って、「これ、あなたのね。その時になったらね」と手渡すと、娘さんは「はーい」と素直に受けとってくれたエピソードを聞きました。子どもたちが成長する段階で、布ナプキンも選択肢になるように学校で教えてほしいと思います。学校の保健室に置いて、子どもたちが手に取って見てくれたらいいなと思っています。

 布ナプキンを縫う人々の輪ができました。お店をやってる人達が店で販売することにもなりました。昨年の6月には森町公民館で「teteの会」を行いました。小さなワークショップや展示会など開催できればと思っています。

 昨年の5月からは、布ナプキンに加えて、赤ちゃんやお年寄りの布おむつやふんどし作りも始めました。使えなくなった籠の再利用として、かご等に和紙を張り柿渋で塗ると丈夫で水にも強くなる「一貫貼り」にも挑戦しています。
(布ナプキンとは、古い布などで作った女性用生理ナプキンです)


焼き菓子工房アルボル

 40年近く横浜で暮らしていました。三人の子どもも独り立ちして、夫の退職を機に「山の中で暮らしたい」という思いで、2000年に、故郷の森町へ移り住みました。

「北海道で暮らせることができるので、北海道で採れたものを使って何かしたい」ということで、以前、保育園の給食を作る仕事をしていた経験を生かし、焼き菓子工房アルボルを作り、ケーキなどの販売を行ってきました。季節に合わせた野菜や果物、木の実を使ったパイやクッキー、ケーキを作り、月に4日、店を開いていました。

 体力的にも厳しくなってきた時に、若い方で私と同じような思いでケーキ作りをしたいという方達を応援して、独立したので、10年間やってきて現在は休んでいます。店舗の一部を「アルボルの茶の間」として「teteの会」などで利用しています。

ハル小屋

 「みんなと集まって何かしたい。集まれる場所があればいいね。音楽を聞いたり、おしゃべりできたらいいね」との思いや、音楽をやっている友達が何人かいて、「函館周辺にライブのできるところがあまりない」ということもあり、2002年に家の近くに「ハル小屋」を建てました。

 「ハル小屋」では、森洋子さんの洋琴庭ライブ「震災支援シリーズ」などの演奏会やパントマイムの公演、映画の上映など行っています。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2014年1月1日

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