健康あらかると お通じの話

八雲ユーラップ医院院長 奥山 敬

 快食、快眠、快便という言葉があります。気持ちよく排便ができるということは、健康な生活を送るうえでとても大事なことなのです。

 学生時代、「理想的なうんこは」という問いに、当時の教官は「(固さは)巻き巻きうんこの金ボタン、(太さ、量は)台湾バナナ2本くらい」と答えてくれました。もっとも今はもっぱら水洗トイレですし、食生活も変わってきていますから、そんな立派なうんこを目にすることはめったにないかもしれません。「理想は1分以内、3分以内なら合格」とも教えられました。しゃがんでから排便完了までの時間です。安産がよいということです。

 便に含まれる水分の量が多いと下痢、少ないと便秘になります。毎日出ていても固くて排便に苦労するようなら便秘、たとえ3日に一度でもするっと出てくれれば問題ないということになります。

 残念ながら気持ちよく排便できている人ばかりではないでしょう。便秘の悩みを抱えている人は多いと思います。

 便秘で困っている人には、まず食事のことを聞きます。食生活の内容と、とりわけ朝食をきちんと食べているかどうかということです。

 食事をすると、つまり胃に物が入ると腸の動きも活発になります。直腸が収縮運動を起こして便を運び始めると便意を感じます。そしてその波は朝食の後が一番大きいといわれています。

 気持ちがあわただしいと、緊張するので腸の収縮が起きにくく、なかなか便意が来てくれません。便意は数分も我慢すると止まってしまうので、せっかくの機会を逃してしまうこともあります。ですから朝食の後、タイミングを逃さずトイレに行ける余裕が大事になります。出たい感じがしなくても、とりあえずトイレにしゃがむ習慣をつけてください。

 「便秘だからあまり食べない」と、いうのもだめです。ある程度の食べた物の量がなくては、腸の動き、便意を促してくれません。やはり脂っこいもの主体の食事よりは、穀類、野菜など主体の昔ながらの和食がよいようです。

 排便の姿勢も大事です。背筋を伸ばして、便座に直角に座ると肛門の後方に負担がかかります。極端な強い前かがみの姿勢でいきむと強い腹圧がかかりますが、圧力は前方に向かいます。ともに裂肛や痔核の位置によっては具合がよくありません。洋式便座に少し前かがみの角度で座ると、腹圧がかかりやすく、直腸がまっすぐ下を向きますのでスムースな排便に有利です。便座の穴に深くはまりすぎると痔核は脱出しやすくなり、肛門はぴんと張って裂けやすくなります。便座の前の方に体重をかけて座るのがよいようです。

 洗いすぎはよくない、という話を聞いたことはありますか。すっかりおなじみの洗浄便座ですが、時間をかけて肛門付近を洗うと、皮膚を守っている皮脂が洗い流されて、皮膚が乾き荒れやすくなります。結果として皮膚の防御機能がなくなってしまうのです。強い水流で肛門に傷をつけてしまうこともあります。

 自分のリズムで気持ち良く排便ができることが大事です。便の状態は、あなたの健康状態を知らせる「お便り」にもなります。毎日の便の状態に関心を持ってください。

 「捨てるうんこで拾う命」というスローガンをご存知ですか。便潜血検査、大腸がん検診も受けていただければ幸いです。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2014年9月1日

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