健康あらかると 今年こそ、ダイエット

江差診療所所長 大城 忠

 毎日の外来で1日に何度もダイエットについてお話をしています。ある日いつものように「体重を落としたほうが良いよね。糖尿病も膝も悪いし」と話したところ、「先生もまた太ってきたんじゃないの?」と反撃されました。今回、私自身も生活習慣の修正が必要と感じ、ダイエットについて復習したいと思います。古くて新しい課題、暗い言葉だから使いたくない「肥満」は程度の差はあれ、多くの人が悩み、高血圧や糖尿病など慢性疾患、果ては脳梗塞、心筋梗塞の原因になり、足腰の劣化につながります。

 なぜこんなに難しいか? 食欲は人に備わった自然の欲であり食行動は快感を伴うからです。快感を伴う欲は増幅します。食物が乏しかった昔に比べて近年の先進国の食欲は過剰・害になり、世界中の学者たちが今でも研究を続け、本屋さんにはダイエット本が山のように積まれています。それなのに絶対成功する方法はありません。そんな難しいダイエットですが、改善の技術が習得できれば他の慢性疾患の治療、勉強、仕事、趣味の力のアップなど色々な場面で生かすことができます。

 さて、どうしましょうか? 今回は主に心理学を利用した考え方を提案したいと思います。

  • ① 動機を明確にする必要があります。ダイエットの必要性をはっきりさせ、やる気を増幅させることです。体重が多いためのマイナス面だけでなく、ダイエットの利点を確認しましょう。
    糖尿病、高血圧が明確に改善する、健康の不安は減少する、なんと言っても家族・知人の白い目を避けることができます。動機の確認はいずれ飽きてきたとき、嫌になったときのためにも必要です。
  • ② まず行動修正の考え方の中心になる、「体重や血圧の記録」をお勧めします。ごく簡単に続けられることができる程度の記録を始めたほうが良いでしょう。続けただけでも「よくやった!」と自分自身を褒めましょう。
    結果が悪いと意欲が続きません。「書くだけダイエット」という方法がマスコミで紹介されましたが、行動修正の基礎になる考え方として賛成です。
  • ③ 記録開始、ダイエット開始の時、家族や職場の人たち、友人、医師・看護師誰かに宣言することもお勧めします。
    ただ、相手を選びましょう。口の悪い人、批判ばかりの人は止めましょう。褒めてくれる人、優しい人を選びましょう。それでなくても自信が失いかけている今、良い評価で支えてもらわないと続きません。
  • ④ 記録以外にたった一つで良いです。カロリーを消費する運動か、カロリーを制限(高血圧の人は塩分制限)する方法を選びましょう。可能なところから、苦痛にならないように2,000歩でも3,000歩でもあなたなりに合った量を決めましょう。
    たったこれだけでも「できました」と言える量の運動で結構です。膝が悪い、腰が悪いなど運動の難しい人は運動に頼らず、カロリー制限や塩分制限の方法を決めましょう。間食を止める、ご飯を一口だけ減らすなどです。具体的には栄養士さんの話を聞けると良いでしょう。
    「夫は酒も塩辛いのも好きにしているのに太らない、私は間食もしないのに太る」と愚痴っても仕方ありません。夫とあなたは違うのです。あなたなりの方法がポイントです。
  • ⑤ 以上を決めたら「続けること」だけを目標にしましょう。良い結果が出ようと出まいと「まあ、良し」としましょう。途中から誘惑の声が聞こえてきます。飽きてくるのです。「孫が残したご飯もったいない。皮膚がたるんでみっともない」理由はいくらでもあります。誘惑の声が聞こえたら原点に戻りましょう。今、健康に大切なことはダイエットだと決めたはずです。

 これを続けていくのです。これで成功するはずです。さて、私もここで宣言し、新年から体重、血圧記録と塩分の入った調味料の追加をしないと決めました。気がついたらやっぱり忘れた日があります。でもまあ良いです。翌日から再開しました。今年こそ!です。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2015年2月1日

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