健康あらかると いま注目されている慢性腎臓病(CKD)のはなし

医師 内山 清

 腎臓は沈黙の臓器です。しかし肝腎な臓器であることは疑いありません。日々の〝おしっこ〟の製造元でもあります。人間の様々な生体バランスにもかかわっていて生命維持に重要な臓器です。

 腎臓はおなかの背中側に左右二つありますが、ソラマメのような形で1個150g程度の小さな臓器です。近年人工透析を受ける方も増えてきています。

 原因で一番多いのが糖尿病性腎症です。世界的に末期腎不全による透析患者が増加しており、医療経済上も大きな社会問題になっています。当院にかかっておられる患者さんも透析に至った方や予備軍も少なくありません。

 日本の成人人口の約13%、1330万人がCKD患者と言われています。糖尿病、高血圧などの慢性病が背景となって発症するCKDが多くなっています。新たな国民病とも言われています。

① そもそも腎臓の働きとは

 腎臓は老廃物の処理だけでなく、体内の水分や電解質の調節、血圧の調節、血液をつくる司令官などの大切な役割を担っています。

 腎臓の働きは、一般になじみはあまりないですが、推計糸球体濾過値(eGFR)というものから推定されます。eGFRはその人の血清クレアチニン値と年齢、性別から計算されます。これは腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示すもので、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。このところ健診でも取り入れられるようになりました。その数字により5段階のステージが示されます。

② CKDは全身の血管病の原因に

 近年CKDが注目される一因として、脳卒中や狭心症・心筋梗塞などの発症に大きく関与していることがわかってきました。初期の尿の微量アルブミンの陽性時期から動脈硬化への影響が考えられるとの研究もあります。

③ 蛋白尿から始まるCKD

 近年CKDが注目される一因として、脳卒中や狭心症・心筋梗塞などの発症に大きく関与していることがわかってきました。初期の尿の微量アルブミンの陽性時期から動脈硬化への影響が考えられるとの研究もあります。

 腎臓病の始まりは蛋白尿です。特に塩分の取りすぎや血圧の上昇と密接に関係しています。初期には尿タンパクテープで引っかからない程度の微量アルブミン尿から始まり、やがて顕性蛋白尿の時期を経て、長年放置すると次第に腎機能が低下し、腎不全・尿毒症に進展していきます。

④ 腎不全や透析にならないために

 糖尿病や高血圧などの慢性疾患のコントロールが一番ですが、その進行に関係している塩分やタンパク質のとりすぎとともに血圧の調整も大切であることが強調されています。

 高血圧や糖尿病以外にもメタボ、肥満、喫煙、腎臓病の家族歴などがある人はCKDにもなりやすく、なった時に進行がはやくなる要因になります。

 いずれにしろ、一次予防(発症させない)、二次予防(早期発見、早期治療)、三次予防(重症化防止)が大切です。その点ではすべての病気に共通しています。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2015年6月1日

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