健康あらかると サルコペニア肥満 ~メタボよりも怖い新たな肥満~

リハビリ部 言語聴覚科科長 鹿内 俊彦

 ここ数年で「メタボ」はすっかり定着しましたが、新たな肥満が登場したようです。それが「サルコペニア肥満」です。意味は「サルコ(筋肉)」+「ペニア(減少)」、つまり、筋肉の量が減り、体の機能が低下した状態に「肥満」が加わったものです。

 お相撲さんは、見た目は肥満体系でもそれに見合った筋肉量が付いているので一概には当てはまりませんが、サルコペニア肥満の場合は、同じ年齢・同じ体重の人でも、例えば太ももをCTで見てみると筋肉量が全く違っていたりするのです(図1)。

(図1)

太ももCT

筋肉の衰えで生活習慣病のリスクが高まる

 筋肉の量は20代でピークを向かえ、年に1%ずつ減少していくため、50代からは急激に筋肉が衰えていくといわれています。肥満に筋肉の衰えが加わると、(つまり、「サルコペニア肥満」になると)糖尿病や動脈硬化など生活習慣病になるリスクが非常に高くなります。例えば、高血圧になるリスクは、標準を1とすると、サルコペニアでは多少高くなるだけですが、サルコペニアに肥満が加わると、2倍以上もリスクが高まるそうです(肥満だけでもリスクはかなり高まります)。

 また、中年になって筋肉量が減ると、基礎代謝が下がることによりメタボになりやすくなります。筋肉量と肥満は密接に関係しているってことですね。原因は「運動不足」と「食べすぎ」です!

標準体型・肥満体型・筋肉が少なく脂肪が多い体型

ちょっとした運動が肥満や筋力低下を予防!

 そして「サルコペニア肥満」の状態で年を重ねると、筋力の低下に伴い転びやすくなり、転倒して骨折して寝たきりや介護が必要になる可能性が高まってしまいます。

 筋肉を鍛えるためには、有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)だけでなく、「筋トレ」をしなければなりません。え?!この年になって「筋トレ」・・・いえいえ、「筋トレ」といっても、マシーンを使うようなハードなものではなく(わざわざ運動するのではなく)、日常生活の中で工夫をするだけで、十分大丈夫だってことが研究者による研究で分かってきています。

 「有酸素運動」といえば、一昔前まではウォーキングなどを20分以上続けないと効果はないと言われていましたが、これは今では科学的に完全に否定されているそうです。また最近の研究では、1日1回30分ウォーキングした場合と、朝10分、昼10分、夜10分と3回に分けて合計30分ウォーキングした場合とでは、燃えた脂肪の量は同じだったという報告も出ています。つまり、足し算すればよいので、日常生活の中でヒマを見つけてちょこちょこと筋肉を使うだけでOKなんです! 例えば、エレベーターやエスカレーターは使わずに、意識的に階段を使うようにするなど、工夫を心がければいいのです。

 将来、生活習慣病や寝たきりにならないよう今からこまめにちょこっとずつ筋肉を使い、肥満も筋力低下も予防しましょう!

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2015年9月1日

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