健康あらかると サルコペニア肥満 ~メタボよりも怖い新たな肥満~

医師 安土 考史

 今回は、内科の病気で出てくる神経症状の話です。

 有名なのは、糖尿病性の末梢神経障害ですが、手足のシビレのほかに、眼を動かす神経の障害も起き、太ももの外側の部分のみの疼痛が出ることもあります。

 あとは、甲状腺機能低下症を長期間放置しておくと認知症様症状が出現し(治療可能な認知症の話で有名ですが)、甲状腺製剤を服用しても認知症状が治らない、さらに手足の麻痺が出てくる、うつ病のように意欲がどんどん低下してくるなどの症状が出ることがありますが、それは甲状腺機能低下症の原因の一つである、橋本病の進行によって橋本脳症という状態になったために出てくる症状です。

 膠原病でも、さまざまな血管炎や脳症を起こし、末梢神経障害や中枢神経障害の症状を起こします。また、モノクローナル免疫グロブリン、クリオグロブリン、アミロイドと言った異常な蛋白が血液に増えても末梢神経の症状が起きてきます。

 癌になったときも手足のしびれや小脳失調性のふらつき(特に小脳失調は、癌の早期や顕在発症前に出てくることがあります)、また、ある部位の髄膜に転移した場合に、めまいのみが起き、難治性に持続する場合があります。

 癌そのものでなく抗がん剤でも末梢神経の障害によるしびれ感が出る場合もあります。

 また、ステロイドを大量長期に服用していると、筋力低下が起きる場合があります。三環系坑うつ薬でパーキンソン症候群を発症する可能性もあります。

 お薬の話のついでに、現在のメタボ健診でチェックされてコレステロールを下げるためにスタチンという薬を処方されていると思いますが、突然、記憶(ものの名前や家族の名前など)が全部一時的に消失してしまう状態の、一過性全健忘という状態になる(特に女性)ことがある、という警告をアメリカの薬品の副作用等を監視しているところから出されています。

 このように神経症状は、脳卒中や遺伝性の疾患、あるいはパーキンソン病などのような神経難病だけでなく内科の病気やお薬でも出現することがあるのです。

 以上、まだまだあるのですが、参考までに私が見聞ないし経験したものを中心にお話しました。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2015年10月1日

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