健康あらかると 高齢者の身体機能改善とアミノ酸

 昨年は、戦後70年、昭和90年でした。復員した若者の子どもの世代の人口は約800万人と言われ、スイスやオーストリアなどの人口に匹敵します。
 今後10年でその数の方々が後期高齢者の仲間入りをしていくことになります。つまり、「昭和100年問題」というわけです。では、後期高齢者が増えることの何が問題になってくるでしょうか?
 認知症の問題、虚弱高齢者の問題はマスコミでもよく取り上げられるようになりましたが、今日、お話ししたいのは、それまで健康だった方が、突然、要介護者となってしまう「脳卒中」についてです。というのは、高齢化に伴い罹患者の増加が確実だからです。

脳卒中とは?

 現存する中国最古の医学書の中に「其有三?而偏中於邪風,則為?仆偏枯矣」(年老い、弱っているところに邪風が片側に当たると、突然倒れ半身不随となる)と書いてあるそうです。この語句から、脳の血管障害のことを「突然、邪風に中る」という意味で、脳卒中と呼ぶようになりました。中風(ちゅうぶ)という言葉をご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、同じ意味です。「撃仆偏枯」(げきふへんこ)とは、突然の片側の顔、腕、脚の麻痺という症状を的確に捉えた言葉です。

脳卒中にならないために気をつける10のこと

 では、予防はどうしたらいいでしょうか? 脳卒中を起こしやすくする因子には、次の10個があります。
 高血圧、心房細動、喫煙、過度の飲酒、運動不足、肥満、糖尿病、ストレス、不健康な食生活、脂質異常症です。
 日常生活では、喫煙、過度の飲酒を控え、バランスの良い食事、適度な運動で適正体重を保つことが大切です。高血圧、心房細動、糖尿病、脂質異常症の発見には特定健康診査を受けることが有効です。
 特に、高血圧は最大の危険因子で、日本人は、昔から比べると、塩分摂取量は減っています。しかし、まだ欧米人の倍は摂取しており、まだ減塩の余地があります。一度、稜北クリニックで塩分摂取量の検査を受けてみてください。

時は脳なり

 いくら気をつけても絶対にならないという病気ではありません。急に腕が上がらなくなる、顔の表情が左右非対称になる、呂律が回らなくなるなどの症状が出た場合、すぐ電話で救急車を呼び、MRIのある病院で脳神経外科医の診察を受けなければなりません。
 脳卒中にならなくとも年々脳細胞は減っていくと言われていますが、平均的な脳卒中発作1回で10時間経ってしまうと、36年分の脳細胞が死んでしまうと計算した学者がいます。1分遅れるだけで、3週間分の脳細胞が壊れてしまうことになります。
 脳塞栓(心臓などから血の栓が飛んできて塞がる)、脳血栓(動脈硬化で血液が栓をする)、脳出血(高血圧などで血管が破れる)、くも膜下出血(脳動脈瘤が破裂)など、細かく区別し、適切な治療に当たることになります。

 塩分を控え、脳卒中かなと思ったら、遠慮せずすぐに救急車を呼ぶことで、死ぬまで元気に過ごせるように、心積もりしておきましょう。

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2016年2月1日

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