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子どもの生活と健康

小児科医師 高柳滋治

体力づくりと健康
 子どもたちの健やかな成長という視点から、子育ての中で、特に意識して育てたい力があります。
一つは、からだの力。筋肉や骨、からだの敏捷性です。これは比較的意識しやすいことでしょう。
 今の子どもたちは、体格も立派になって、栄養状態も改善しています。一方で、カロリー摂取の過剰と運動不足のために、小児の肥満も増え続けています。肥満やそれに伴う高脂血症は、将来の糖尿病や高血圧、動脈硬化の原因になり、心臓病や脳卒中につながります。これらの生活習慣病を予防するために、食生活を見直すとともに、運動量を増やす体力づくりがますます重要になってきています。

外遊びや家の仕事の大切さ
 また、背筋力の弱さに、今の子どもたちの生活の問題点があらわれています。朝からあくびしたり、学習に身が入らない子どもたちが増えています。人間の脳を目覚めさせるのに、背骨を支える筋肉(脊柱起立筋)の緊張が欠かせません。私たちも、ずっと座りっぱなしで眠くなったときに、立ち上がって軽い体操をしたり、少し歩き回ると眠気がとれると言うことを経験します。

 スポーツのように特定の筋肉を鍛えるものではなくて、普段の生活の中で、鬼ごっこやかくれんぼ、木登りなどの外遊びを活発にすることや、車に頼らずたくさん歩くこと、家の中での布団の上げ下ろしや掃除などの家事労働をすることを通して、体を支える筋肉をしっかり刺激することが大切です。

自律神経の力
 もう一つ、健康を支える力として意識して欲しいのが、自律神経の力∥からだの調節力です。人間の体には、環境の急な変化に対して、上手に順応する働きが備わっています。例えば、気温が高ければ、血管を広げて熱を放散し、逆に寒くなると、血管を細くしたり、ふるえたりして、体温を上げようとします。自分で意識しなくても、自動的に調節してくれるのが自律神経です。他にも血圧を上げたり下げたり、心臓の動きを早くしたり遅くしたり、食べ物をとったときに、消化液を出したり、腸の動きをコントロールしたりしています。

自律神経と病気
 この自律神経の力の弱さが病気につながることがあります。体温調節の力の弱さはかぜの引きやすさにつながります。また、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気も、直接の原因はダニや食物、花粉などの物質によるアレルギー反応ですが、体の中でアレルギー反応が起きてから、症状として表れるまでに、自律神経が強く関わっています。大きくなって体力がつくと、喘息やアトピーがよくなるというのは、自律神経の調節力が強くなったからという意味です。アレルギーのもとになっているものを除去することや、上手な薬の使い方とともに、自律神経の調節力を高めることが、アレルギーの病気を重くしたり、長引かせたりしないために大切なことです。

自律神経のきたえ方
 自律神経は、緊張と弛緩がくり返されるメリハリのある生活の中で、自然に鍛えられていきます。
 早寝早起きの睡眠のリズム、快食快便の生活リズム、遊びと休息のメリハリをしっかりとることが大切です。皮膚を通した暑さ寒さの刺激が効果的です。お風呂上がりの水かぶり、薄着や外遊び、水泳などの環境からの刺激をたくさん受けることが大切です。できれば家族みんなで取り組んで、健康家族をめざして欲しいと思っています。

2005年7月 第256号より

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2006年02月16日 |

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