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隠れ肥満を見つけるCT検査

放射線技師 綱渕幸彦
 先月某新聞記事に、「厚生労働省がメタボリック症候群に着目し、平成20年から40歳以上の人が受ける新しい検査項目と判定基準が固まった。新しい基本健康診断は検査項目に従来の身長・体重・血圧に加え腹囲や尿酸などが加えられ、尿検査・心電図などが精密検査として実施することにした」との、記事がありました。  当院も今、メタボリック症候群について色々取り組んでいます。私が携わるCTを利用した内臓脂肪面積測定も少しずつではありますが増えています。

《メタボリック症候群定義》
 内臓脂肪面積が男女ともに100cm2以上で、下記の項目のうち2項目以上であること。
1 脂質代謝異常:高トリグリセライト血症・低HDLコレステロール
2 血圧高値:収縮期血圧130mmHg以上かつ拡張期血圧85mmHg以上
3 糖代謝異常:空腹時血糖値110mg/dl以上
 メタボリック症候群の確定の主な要因である内臓脂肪面積はCT検査により確定します。
 図1・2は、男性60代標準的な体格の方です。基準部位の臍を中心として撮影し測定したものです。図1は内臓脂肪面積測定、図2は皮下脂肪面積測定です。内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の比を取ることで、その人の肥満傾向が、内臓脂肪型肥満なのか皮下脂肪型肥満なのか知ることが出来ます。内臓脂肪面積÷皮下脂肪面積≧0.4は、内脂肪型肥満になります。

図1図2
 図1の方は、内臓脂肪面積が約72.7cm2で、メタボリック症候群の内臓脂肪基準値100cm2より低いので、メタボリック症候群ではありませんが、比が0.83なので内臓脂肪肥満傾向に有ると言えます。隠れ肥満予備軍かもしれません。もし肥満が進むと、メタボリック症候群になる可能性は、高いです。又腹部大動脈に石灰化があり動脈硬化が進み心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高くなると思われます。

図3
 図3の方は、男性60代、標準的な体格の方です。内臓脂肪や動脈の石灰化も無く、筋肉も厚く理想的な体系と思います。メタボリック症候群になる可能性は、この時点では無いと思います。

 内臓脂肪は、皮下脂肪に比べ増えやすく、減りやすい性質があります。高カロリー食やアルコールの摂取や運動不足が、長く続くと内臓脂肪が増えメタボリック症候群へと進んでしまいます。
 最近、運動不足・食習慣の乱れ・下っ腹が出てきたと感じてきたら、一度CT検査を受けてみてはどうでしょうか。隠れ肥満(内臓脂肪型肥満)かもしれませんよ。

2006年8月 269号より

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2006年08月15日 |

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