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いさりび 2006年10月 第271号より
この夏の暑さはとても強烈でした。さて昨年はどうだったのか。「去年も暑かったよ」話されても、あれそうだったか忘れてしまっている。日常の中でも忘れてしまうことがあり、ふと立ち止まってしまうこともしばしば。それを聞いた息子の「たくさん覚えていたら頭がいっぱいになるよ。だから忘れていいんだよ」という言葉に慰められた
▼人には誰でも忘れたいほど恐ろしい事や辛く悲しい事がある。挫折と絶望感の繰り返しである。それを一つひとつ覚えていたら逃げ場がなくなってしまう。忘れることは生きる糧にもなる
▼加齢により忘れることも多くなる。たかが物忘れであるがその原因が認知症となれば話は別である。本人、介護者は生活の中で悩み、苦しんでいる、その辛さは計り知れない。その忘れることを責めることなく、ありのままに受け止め、穏やかに生活できる環境が望ましい。ところで今の政治家はどうだろう?都合が悪くなると自己弁護のため物忘れを装う。こんな人は、本当の物忘れの苦しみを理解する優しさはないだろう
▼決して忘れてはならないこともある。61年前の戦争である。日本人がその時何をしたのか。そして誓った平和への願い、子どもを二度と戦場に送らない決意は今も尚、決して忘れてはならない。
項目:いさりび | 投稿者:道南勤医協 | 登録日: 2006年09月30日 | コメントを書く・読む (0)
褥創の治療
医師 横倉 基
昔は患者さんに褥創ができると看護師の恥だという意識があったようです。でも、現在は褥創に対して医学的な目が向けられ、医師、看護師、栄養師、リハビリ技師、検査技師など多くのスタッフが関わるチーム医療となっています。
北海道新聞で褥創学会の会長が褥創に関する記事を連載されていました。ご覧になった方も多いと思います。
稜北病院でも、以前よりチームを作って褥創に取り組んでいます。印象に残る一例を紹介します。
お尻に骨まで達する6cm大の深い褥創ができた寝たきりの患者さんでした。皮下にはさらに7cmにもおよぶポケット(皮下に広がる創)が出来ていました。しかし、霧吹きでぬるま湯を吹きかける、薄いフィルムを1回/日貼る、という簡単な処置を基本にして約1年以上の期間はかかりましたが、遂には治りました。他院の外科の先生にはこの創は絶対に治らないと言われた創です。
この間、創に消毒薬やガーゼは使用しませんでした。
ジクジクした液体に、創を治そうとする物質があります
昔は創を消毒し、ガーゼで覆うことが常識でした。しかし、この常識は褥創の分野では通用しなくなっています。創が治るときにジクジクした薄黄色の液体がでてきます。浸出液といいます(ドロドロした汚い液体の膿とは違います)。実は、この浸出液にこそ創を治そうとする物質があるのです。創が治るためには、血流にのって色々な細胞やサイトカインという生体物質が創面に出てきて、複雑なネットワークを作り、その相互作用のなかで創が治って行くということが分かってきています。周囲の血流の確保と細胞やサイトカインが生きる環境が必要なのです。その生きる環境がジクジクした浸出液がある環境です。消毒薬もガーゼもこれを破壊し、自然治癒力を妨げているのです。創の適度な浸出液保持のために、様々な被覆剤が使われています。医薬品のフィルム類から尿とりパットや食品用のラップなどです。
しかし間違えてならないのは、被覆剤が創を治すのではなく、創が治るためのジクジクした環境を保持するとういう補助的な役割を果たすに過ぎないということです。食品用のラップの使用に関しては、褥創に携わる医療関係者の間で大きな論争がおきています。褥創学会の偉い先生方の多くは否定的です。しかし、現場ではだんだん広がってきていると思います。私も、粘着性のポリウレタンフィルムで皮膚負けをおこす患者さんに使用しています。また褥創ではないのですが火傷の患者さんに使用したこともありました。
除圧と栄養が必要
創の局所治療は上記のとおりガーゼや消毒薬を使用せず、創の適度なジクジク環境の保持ということが基本です。しかし、この局所治療以上に大切なのが、除圧と栄養です。自分で寝返りをうてず同じ姿勢を長期間続けていた人に褥創が発生します。このために高機能エアーマットが開発され医療現場や在宅介護に導入されています。また、褥創がある患者さんは通常以上の蛋白や亜鉛が必要であることが分かっています。このために、患者さんが寝たきりの高齢者だからといって栄養に無頓着に褥創の局所治療をいくら頑張っても創はよくなりません。
2006年9月 第270号より
項目:健康あらかると | 投稿者:道南勤医協 | 登録日: 2006年09月05日 | コメントを書く・読む (0)
原水禁2006年世界大会に参加して
9条を守りぬくこと
核兵器廃絶は一体的課題
初日は、海外からの参加も含め7300名の参加がありました。被爆者の方のリアルな体験談、広島市長の発言、海外の代表の方からは、自国の様子を交えた発言が続きます。そして、午後3時を過ぎた頃、歴史を変える大きなニュースが飛び込んできました。広島地裁で行われていた原爆症認定裁判の原告41名全員に勝訴の判決が出たことの報告がなされ、会場内に大きな拍手が沸き起こりました。

2日目は各分科会で、私と櫻井さんは憲法9条の会場に参加し、原爆によって生じた悲劇を2度と繰り返さないとして平和憲法が制定され、「9条を守りぬくことと、核兵器廃絶は一体的課題である」ことを学んできました。金子さんは動く分科会で市内の碑めぐりに参加しました。3日目の閉会式でも様々な報告のあと、今後の行動の決意表明をして終了となりました。
武力では決して解決しない
平和への願いは、全ての人々の共通した認識にしたいです。今この時間もどこかの国では争いが続いています。武力では決して解決しないことに一刻も早く気づいてほしいです。
皆さんから託された五本の千羽鶴も平和公園の設置場に収めてきました。カンパや募金をたくさんいただきました。一生に1度あるかないかの貴重な体験をさせていただき、感謝しています。本当にありがとうございました。
稜北病院整形外科看護師
笹谷 聖子
2006年9月 第270号より
項目:だより2面・3面 | 投稿者:道南勤医協 | 登録日: 2006年09月05日 | コメントを書く・読む (0)
各地のできごと 2006年9月 第270号より
八雲友の会世話人交流会(北渡島檜山地区協議会 穴澤武久)
ふれあい看護体験(7/25,27)(稜北病院 酒井美子)
グリンピア大沼で交流会(七飯友の会 宗像法子)
奥尻地区で医療懇談会(7/30)(江差診療所 西海谷朗)
八雲友の会世話人交流会
公民館で7月25日に行いました。参加は会員18名、医院からは内山医師と小林事務長が参加。午前中は頭の体操、昼食後「山車行列」のビデオ、内山医師が「健康づくりのレシピ」についてパワーポイントを使ってお話してくれました。
(北渡島桧山地域協議会 穴澤 武久)

ふれあい看護体験(7/25、27)
函館西高校3年生10名の参加で行なわれました。初めて白衣を着て「緊張した、うれしかった」と言う感想が多く聞かれました。リハビリでは麻痺体験や理療体験、内視鏡では大腸カメラを実際に触ったり、病棟で足浴などの体験を行ってもらいました。
(稜北病院 酒井 美子)
グリンピア大沼で交流会
年間行事の交流会を今年は7月30日に行いました。参加者38名の内12名は新しい顔で、特に大沼地区からは7名の参加がありました。パークゴルフや温泉と自由に過ごした後、昼食と座ってもできるストレッチを共に行い、日頃の疲れを少し癒しました。
(七飯友の会 宗像 法子)

奥尻地区で医療懇談会(7/30)
3年ぶりに奥尻島の奥尻地区で医療懇談会を行いました。岡和田所長より、生活習慣による肥満が、高血圧・糖尿病・高脂血症などの疾患はもとより、脳梗塞などの深刻な病気へと進行していく危険性があることが話され、あらためて病識を深め合いました。
(江差診療所 西海谷 朗)

項目:各地のできごと | 投稿者:道南勤医協 | 登録日: 2006年09月05日 | コメントを書く・読む (0)
浜分健康友の会
友の会訪問No.73
雨降って地固まる…か?
それは突然やってきました。
長年、「勤医協だより」200数10部を夫唱婦随で配達してくれていたHさん。当たり前の事と気にも留めていませんでした。改めて考えてみれば御年80歳。車での配達には大変な労力、体力、神経を使ってこられたと思われます。
そんなある日、Hさんが倒れて入院したとの一報が…。
幸い命に別状はないとの知らせに安堵いたしましたが、いつまでの入院になるのか、退院後の状態はどの程度なのか、心配の種はつきません。
そうこうしている内に「勤医協だより」がどどーっとやって来てさぁ大変。Hさん保
管の名簿を取り寄せましたが、本人しか分からない部分が多く、まるで暗号を解読するがごとく…。それでも、どうにかこうにか住所別の名簿を完成させ、地域ごとの配達担当者を割り振りして、1件落着。
教訓1∥名簿は時々複数で確認しあう。
教訓2∥配達、集金は一人に過重負担にならないように手分けして。
教訓3∥健康相談に限らず、会の運営についても議論を。
重い荷物も、みんなで担うと軽くなる。こんな当たり前の事がHさんの入院で改めて教えられました。その後、間もなく退院され元気になられた事が何よりです。他の地域の友の会の皆様にもご心配をいただきましたが、元気に活動を再開している事をこの場を借りてご報告いたします。ありがとうございました。
浜分健康友の会 藤田 啓実
2006年9月 第270号より
項目:友の会・町内会訪問 | 投稿者:道南勤医協 | 登録日: 2006年09月04日 | コメントを書く・読む (0)
友の会患者さんに支えられて地域に根ざして30年
地域に足を踏み出し
医療・介護問題など住民に広がる様々な困難な実態をつかみましょう
道南勤医協は今年で創立30周年を迎えました。30年の感謝とお礼を込め、11月まで地域訪問にとりくみます。医療や介護制度の改悪による矛盾が現場の中に現われています。
リハビリをやめたら歩けなくなるんじゃないですか?
4月の診療報酬の改定で疾患ごとに、リハビリを受けられる期間が国により決められてしまいました。4月に改定内容が公表され、患者さんにも1人1人に伝えました。ほとんどの方から「信じられない」という言葉が聞かれました。特に長年、稜北病院に通院されている慢性期・維持期の患者さんからは、「もうリハビリは出来なくなるんですか?」「リハビリをやめたら歩けなくなるんじゃないですか?」など、今後の不安を訴える声が多く聞かれました。今も患者さんは不安を抱えながらリハビリを行っています。
8月いっぱいで慢性期の運動器疾患の患者さんが、リハビリを行えなくなります。九月いっぱいで、慢性期の多くの患者さんがリハビリを受けられなくなります。
先日も「私、動けなくなって、死んでしまうかもしれないね」と笑いながら、冗談とも本気ともとれることを言っていた患者さんがいました。
「いかに患者さんの身体機能を守っていけるのか」と、スタッフも怒っています。
「これじゃ生活できない」区分変更を申請
Aさんは病気のため、家の中は両杖で、屋外は車椅子介助での移動です。それでも、週4回ヘルパーさんに来てもらい、なんとか1人暮らしを維持してきました。
4月、介護保険が変わり、ヘルパーは1回、1時間の短縮。止む無く買い物は共同購入に。入浴は週2回から通所リハビリでの1回に変更。
6月、要介護2から要支援2になり、更にヘルパーを週3回に減らさざるを得ません。しかし、落ちたゴミを拾うこともできないため、これ以上掃除の回数を減らすことは困難です。家事も買い物だけで調理の時間がないため、出来合いの惣菜を買って、1人でも食べられるようにセットしてもらうので一杯です。
Aさんは「これじゃ生活できない」と区分変更申請を行っています。
被害の実態をリアルにつかむとりくみを
小泉内閣の悪政による生活破壊や、医療・介護制度の改悪により地域住民、患者さんに被害が及んでいます。被害の実態を告発し、社会保障改善の運動に生かすことが今ほど求められている時はありません。
地域訪問を旺盛にすすめ、被害の実態をリアルにつかむとりくみをすすめましょう。
2006年9月 第270号より
項目:道南勤医協だより | 投稿者:道南勤医協 | 登録日: 2006年09月04日 | コメントを書く・読む (0)
いさりび 2006年9月 第270号より
秋の自民党総裁選挙に向け、「ポスト小泉」レースがはじまっている。社会保障の切り捨て、消費税増税と国民いじめの悪政の競い合い。まるで応援席から財界、大企業がエールを送り、賭けでもしているような姿が浮かぶ
▼所得格差、健康格差と貧富の格差がひろがっている。小泉内閣による「新自由主義」路線のもと、大企業のための規制緩和をすすめた結果、そのしわ寄せは弱いところに集中する
▼高齢者の住民税が数倍から十倍に上がり、それに連動して介護保険料や国民健康保険料などが膨れ上がる。このうえ医療制度改悪による患者負担増が10月から実施される。〓70歳以上の「現役並み所得者」の窓口負担は2割から3割へ引き上げ、〓70歳以上の療養病床入院患者の食費、居住費の自己負担増、〓高額療養費の自己負担限度額の引き上げとお金がなければかかれない、また患者になれない病人が増えていく
▼医療機関では診療報酬大幅マイナス改定によって、療養病床、一般病床とも維持困難な事態が起きている。一般病床について道病院協会が調査したところ、経営維持が困難な最低ランクの「特別入院基本料」の届出50%以上が2次医療圏の3分の1を占めているという。中でも道南の南檜山4病院のうち三つが対象になっている
▼今、「ポスト小泉」よりも「ポスト資本主義」が必要かもしれない。
項目:いさりび | 投稿者:道南勤医協 | 登録日: 2006年09月04日 | コメントを書く・読む (0)