高次脳機能障害とは?
交通事故や脳卒中などで脳が傷つき、記憶力や注意力といった高度な脳機能が障害されることを「高次脳機能障害」といいます。厚労省の推定では全国に20万人います。
たとえば交通事故にあっても、マヒもなく言葉の障害も残らずに普通にもどったようにみえた人が、自宅にもどってから「人がかわってしまった」「怠け者になってしまった」とまわりからみられる場合、高次脳機能障害を残していることがあります。
仕事にもどれず生活の一部に介助が必要な状態がつづいても、診断できる医療機関や相談できる窓口が少ないために、ご本人やご家族が悩まれたケースを私も経験しています。
高次脳機能障害はどんな症状?
このような事態をうけて厚労省は平成13年度から5年間、モデル事業を実施しました。この事業の中では高次脳機能障害の診断基準がしめされています。
この基準によると診断上のポイントは大きく3つあります。第一に、事故や脳卒中のような疾病がきっかけになっておこったこと、第二に、日常生活に不自由があり、その原因が記憶障害や注意障害といった高次脳機能障害にあること、第三に、MRIやCTなどで脳の障害がみつかっていることです。
高次脳機能障害でよくみられる症状はまず記憶障害、物忘れです。ぼんやりしていてミスばかりするといった注意障害もよくみられます。その他に、計画をたてて行動できない、感情がコントロールできない、自分からやろうとしないといった症状のこともあります。
このような症状があるために、歩行や食事など基本的なことはできても、お金の管理や買い物、銀行や役所の用事をすますことができなくなります(図参照)。
治療や社会福祉はどうなっているの?
前述のモデル事業をへて、札幌をはじめ全国16か所に支援拠点がつくられています。支援拠点は診断とリハビリ、就労支援などを行っています。交通事故が原因の場合は、自賠責保険で損害賠償の対象になっています。また高次脳機能障害に対して精神障害者保健福祉手帳が支給されると税の優遇処置などをうけられます。
くわしく知りたいかたは稜北クリニックの外来でご相談ください。

