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新たな技術「冠状動脈のマルチスライス検査」について

医師 大城 忠

 マスコミでも大きく取り上げられているメタボリック症候群、従来からの病名である高血圧、糖尿病、高脂血症などの慢性疾患、喫煙者の最も不幸な結末は、脳動脈、心臓の冠状動脈、下肢の動脈など血管の狭窄・閉塞であり、壊死です。医師は診察、エコー、脈波など色々な手段を使って、血管がどの程度狭窄しているかを知ろうと努力します。

従来、最終的に血管の状態を知るのは、カテーテルという管を血管内に直接挿入し、造影剤を入れる血管造影法が唯一の正確な検査法でした。特に心臓の血管である冠状動脈は常に動いているため、血管造影以外では判断が困難でした。

しかし、コンピュータ技術の進歩により最近、画期的な方法が出現しています。マルチスライスCTという方法の登場・改善により動脈に直接カテーテルを入れず、造影剤の静脈内点滴で,冠状動脈を映し出すことができるようになりました。
今やカテーテル挿入による選択的冠動脈造影に代わりうる存在になりつつあります。

マルチスライスCTの利点とは
 安全、容易であることが挙がられます。心臓カテーテル法は、心臓に直接カテーテルを到達させる必要があるため、受けてもらうかどうかは相当厳密に検討する必要がありました。この方法だと比較的安全に外来で受けることができます。また、使用する造影剤も少量のため、心臓への負担も大きくありません。

マルチスライスCTの不利な点
 一方、不利な点としては、カテーテル法と比べると幾分画像の精度が低下する、異常所見が過大に判断される場合もあります。結局、精密検査としてカテーテル挿入による選択的冠動脈造影を受けることになる場合もあることです。
 しかし、以上のような不利な点があっても、冠状動脈狭窄を疑った場合の初期検査としては極めて有効と言えます。

◇ さてここまでお話しして恐縮ですが、まだ稜北病院でこの検査はできません。現在は他の病院にお願いしていますが、気軽にお願いできるようになっています。動脈硬化の危険因子を持つ方、心臓が心配な方、足の血管が心配な方はまず私たちに相談して下さい。

冠動脈の画像
マルチスライスCTによる冠動脈の画像

2007年9月 第282号

投稿者: 道南勤医協 | 登録日: 2007年09月01日 |

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