整形外科コラム②
骨密度が若年平均値の70%未満で骨粗鬆症と診断されます
骨粗鬆症の診断は骨密度(当院では手首の骨の部分)を測ることで行われますが、その際「若い人と比較した値」と「同年代と比較した値」の2種類の%で結果が示されます。
重要なのは前者の方で、原則として骨密度が20~44歳の平均値(若年平均値)の80%以上で正常、70~80%で骨量減少、70%未満で骨粗鬆症と診断されます。
さらに2006年の最新の診断基準によると脆弱性骨折といって、転倒などの軽微な外力で背骨、大腿骨や手首の骨折をしたことのある男女とも50歳以上のすべての方と、
① 日本酒相当で1日2合以上アルコールを飲む
② 現在タバコを吸っている
③ 家族に大腿骨頸部を骨折した方がいる
これら3つのうち1つでもあてはまる場合には、70~80%の骨塩減少の方でも、骨粗鬆症として薬物治療を開始することを勧めています。
以上の診断の根拠は、骨折を起こす危険性がどのような人で高いかという調査をもとに決められていますので、特に高齢の女性の方には厳しい中身となっています。
この基準を当てはめると、日本国内には1100万人の骨粗鬆症の治療を要する方がいると推測されますが、実際に治療を受けているのは200万人程度といわれています。
2007年12月 第285号