冬場の転倒に注意!!
~あなどるな! すってんころりん 手の骨折~
橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)の概要
中高年に多い骨折で、特に骨粗しょう症をわずらった女性が、転んでしまい掌を着いた時などに発生しやすい骨折です。
一言に『橈骨遠位端骨折』と言っても、色々な種類があります。骨折した時の姿勢や、力のかかり具合によってそれぞれ呼び名が違います。今回は『橈骨遠位端骨折』の中で、最も起こりやすいと言われている、『コーレス骨折』に的を絞ってお話したいと思います。ちなみに、『コーレス』というのは、人の名前なんですって!
この『コーレス骨折』を起こしている有名人もいます。ニューヨークヤンキースに所属している松井秀樹選手です。彼の連続出場記録が打ち切られてしまった試合に起きた怪我が、この『コーレス骨折』なのです。
橈骨遠位端骨折発症後の症状
では、コーレス骨折はどんな骨の折れ方をするのでしょうか? 橈骨という骨が折れて、手の甲の側へとずれてしまうのです。その様相は食器のフォークに似ていることから、『フォーク型』(図1)と呼ばれることも多いです。
症状としては手首の痛みや腫れ、肘より前の腕をひねることが困難になります。時に、骨折した骨の破片によって神経が圧迫され、橈骨神経麻痺(第3関節が曲がったままになってしまう)や、正中神経麻痺(母指球の筋肉自体が萎縮してしまって筋力が弱くなる)などが生じます。その結果として、握力が弱くなってしまいます。他には、親指を伸ばす働きを持つ筋肉の腱の断裂を起こしてしまう可能性があります。
また、変形した状態で骨がくっついてしまうと、手首を動かした際に著しい痛みが生じてしまったり、指のむくみ、関節が固まってしまいます。
日常生活上に出現する弊害、合併症
日常生活上に生じる影響は、橈骨神経麻痺が生じた状態だと、物をしっかり掴むことができなくなったり、床からものを拾うことができなくなります。正中神経麻痺では、親指の付け根を自由に動かせることができなくなるわけですから、箸を使うことができなくなったり、鍵を開けるのが困難になります。
このように、手が使いづらくなってしまいます。そのため、反対側の手を頻繁に使うことが多くなります。そうすると、骨折した手だけではなく、肩や肘も動かさなくなってしまい、肩・肘の関節に痛みが出たり固くなってしまうこともあります。
